成長スパート期を見逃すな!|松村由桂
こんにちは、公認スポーツ栄養士の松村由桂です。
スポーツをするうえで身長が高い方が有利な場合は多いでしょう。今日は子どもの成長を伸ばすためにどのような食事、そして生活を送ることが重要かを書いていきたいと思います。
私たちは人生で2回著しくからだが成長する時期があります。第一次成長期は赤ちゃんの頃、そして第二次成長期は思春期の頃。すなわちこの時期が成長スパート期といわれ、からだを作るうえで非常に重要な時期です。私自身も小学6年生の頃、1年間で10㎝身長が伸びた経験があります。
身長はもちろん遺伝が強いですが、しかしこの成長スパート期に、いかにバランスの良い食事、質のいい睡眠、適度な運動を行うことで可能性を少しでも伸ばせるかもしれません。ぜひこの成長スパート期を見逃さないで欲しい。
成長スパートは個人差がありますが、平均女の子11歳、男の子13歳と言われています。定期的に身長を測定し、成長スパートのスタートを知ることが大切です。
1.エネルギーをしっかりとる
2.骨の材料になるたんぱく質、カルシウム、ビタミンDをしっかりとる
私たちが普段消費しているエネルギーは、「生きるため・生活のためのエネルギー」と「運動で使うエネルギー」に分けられますが、成長期の子どもたちはこれに「発育・発達のためのエネルギー」がプラスされます。食事をしっかり食べられていない子がたくさん運動をすると、「発育・発達のためのエネルギー」が不足してしまいます。そうなると成長スパート期の山が低くなってしまうのです。成長スパート期の山を最大限高く成長させるためにもしっかりとエネルギーを確保するということが大切になるのです。
このエネルギーが足りているかどうかは日々の体重の変動でみることができます。体重が増えていない時はイエローカード、ましてや減っている時にはレッドカードです。体重が増えていないということは、食事量が足りていないか、もしくはオーバートレーニングが考えられます。定期的に身長、体重も測定していきましょう。
2つ目、身長が伸びるとは骨が伸びること。
骨の材料になるたんぱく質、カルシウム、ビタミンをしっかり摂取しましょう。
まずたんぱく質はご存じの方が多いと思いますが、
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれます。この良質なたんぱく源は毎食の食事にとりいれましょう。朝食はパンだけなどですませていませんか?ウインナー、ハム、焼き魚、ゆで卵、納豆、チーズ、牛乳、ヨーグルトなどは朝食にもとりいれやすいと思いますので、必ず1品はつけましょう。
カルシウムといえば
乳製品、小魚、ひじき、ほうれん草、小松菜、切干大根などに多く含まれます。間食に果物+ヨーグルト+牛乳でミックスジュースにしたり、チーズトーストなど子どもが食べやすくオススメです。小魚であるしらす干しは、そのままご飯にかけたり、おにぎり、卵焼き、お好み焼き、酢のものなど、いろんな料理に混ぜやすいので積極的に使いましょう。
カルシウムの吸収を助けてくれるのがビタミンDです。
椎茸、しめじ、エリンギ、えのきなどのきのこ類や鮭などに多く含まれます。きのこ類はスープや味噌汁などにいれるととりやすいと思います。
著しくからだが発達するこの時期にしっかりと食べて、運動して、たくさん寝ることこそ、からだが大きく、そして強い選手への近道なのです。
<参考文献>
○順天堂大学女性スポーツ研究センター 女性アスリート成長期サポート