筋肉の材料「タンパク質」どれくらい摂ればいいの?
筋肉はもちろん骨、血液、髪、爪、皮膚さらにはホルモンや酵素などの材料にもなる「タンパク質」。
スポーツをしているみなさんは「タンパク質」特に気になる栄養素の1つではないでしょうか。
食事からのタンパク質が不足すると、筋肉の合成が弱まるというのはイメージしやすいでしょう。では、タンパク質をたくさん摂れば摂った分筋肉になるのか?というと実はそうではありません。
国際オリンピック委員会(IOC)が、
「タンパク質の摂取量について、1日に体重1㎏あたり2~3gを超えて摂取しても筋合成などによい影響を与えるという明確なエビデンスはない」
といっています。そこでタンパク質の目安は、1日に体重1㎏あたり1~2gとなっています。(疾患がある人などこの量にあてはまらない場合もあります)
例えば、体重50㎏で特に運動をしていない人は1日に50g程のたんぱく質を摂れば充分。同じく体重50㎏で激しい高強度の運動をしている人は1日に100g程のたんぱく質を摂ることが望ましいということになります。
食事ではどのくらい食べればいいのかというと
朝食 卵1個 納豆1パック
昼食 豚もも肉100g
夕食 鮭1切れ80g
食べたとすると、これでだいたいタンパク質50gになります。
これに筋力トレーニングや激しい運動を行っている人はだいたい1.5~2倍程摂る必要があるということです。
「タンパク質」といえば、肉、魚、卵、大豆製品などの良質なタンパク源ですが、実はご飯、パンなどの穀類にも含まれています。3食しっかり食べていれば食事から十分にとることができるでしょう。
逆にむやみやたらにプロテインを摂っていたりすると過剰摂取の可能性も考えられますので注意しましょう。タンパク質を摂り過ぎると、体脂肪となったり、肝臓、腎臓に負担をかけてしまったり、骨粗しょう症のリスクが高まったりすることが分かってきています。
また、筋肉トレーニングしている人は、「鶏ささみ、鶏むね肉がいい」とよく聞きますが、確かに低脂肪でいい食材ですが、それを毎日食べるとなるとどうしても栄養が偏ってしまいます。牛肉は鉄分が多かったり、豚肉は疲労回復してくれるビタミンを多く含んでいたりと食材がもっている栄養素は違います。サッカーにもいろんなポジションがあってそのポジションならではの役割があるように、食事もいろんな食材から栄養を補うことがオススメです。
食品の中にどれくらいのタンパク質が含まれているか載せていますので参考にされてみてください。
【参考著書】
理論と実践 スポーツ栄養学
著者 鈴木志保子
発行所 株式会社 日本文芸社