ドイツサッカーの難しさについて|杉崎達哉
チャンピオンズリーグには8季ぶりにバイエルンが決勝戦に残りました。
相手となるパリ・サンジェルマンは強敵ですが、2009/10シーズン以来2回目の三冠(リーグ・カップ・CL)がかかっているので是非ともバイエルンには頑張ってもらいたいです。
さて、毎年ドイツには多くの日本人選手がCLやブンデスリーガでの活躍を夢見てやってきます。
しかし実際にアマチュアリーグからプロリーグ(3部リーグ以上)まで到達出来る選手は非常に少ない数です。
そこで今回はドイツサッカーの難しさについてご紹介したいと思います。
私の住んでいるドイツ西部には約4500クラブが登録されています。地域によってリーグ数が若干異なりますが、私が住んでいる地域は11部まであります。そして日本から ドイツに来る選手は多くの場合、最初は7部から5部でプレーしています。日本で例えると、都道府県リーグ1部から各地域1部リーグということになります。
7部から5部でプレーする日本人選手は多いですが、ここから先、つまり4部へのステップは非常に難しくなってきます。
理由としてまずは単純にチーム数が減ると言う ことです。5部リーグまでは各州ごとに1リーグ存在しますが、4部リーグはドイツを5分割に区切るので各地域に1つのリーグしかありません。そうすると必然的に選手枠も減ってきます。
次に大きな問題は滞在許可書、ビザです。
ドイツに来る日本人選手の大半は学生ビザかワーキングホリデーでやって来ます。2部練習がある4部クラブでプレーするとなると学生ビザでは学業との両立でかなり高いハードルになってきます。ワーキングホリデーでも問題が生じてきます。有効期限が1年間なので取得時期によっては1シーズン戦えないこともあるからです。そうするとクラブ側も獲得する際に躊躇してしまうケースが多々あります。
そうなると就労ビザの取得が1番良い方法ですが、これもまた高いハードルとなります。クラブに財政的な余裕がある事が前提となり、なかなか4部クラブで工面出来るところは限られてきます。
上記の話は4部リーグまでの例です。プロリーグに分類される3部以上ではそこに外国人枠なども存在してくるので更にハードルが高くなるのは想像が付くと思います。
ここまで読むとやっぱりドイツでプロ選手になるのは大変だなと思う方も多いかもしれません。
しかし今年5月、ドイツ4部に所属するオーバーハウゼンが5部から日本人選手の獲得を発表しました。
このニュースは今現在ドイツでプレーしている、または今後ドイツでトップレベルを目指す選手にとっては大きな励みになると思っています。
そして次回はドイツでアマチュアリーグからプロリーグでプレーするために必要な要素について紹介していきます。お楽しみに!