ドイツのクラブ事情について|杉崎達哉
9月に入りドイツはだいぶ涼しい日が増えてきました。日本はまだ30度を超える日が続いているようなので、熱中症には十分気をつけて下さい。
さて今回は少し前のブログでお伝えしたドイツのクラブ事情について語っていきたいと思います。
ドイツサッカー連盟のホームページによると、2020年時点でドイツでは2万4481のクラブが同連盟に登録されています。ちなみに日本サッカー協会に登録されている数はドイツより多く、2万7670 チームとなっています。
そんなドイツと日本における一番の違いは、ドイツには学校単位でのチームはほとんど存在しないということです。選手はクラブチームに入り活動をしています。また各クラブには幼稚園から大人までのカテゴリーがあり子供とお父さんが同じクラブでプレーするなんてことも多く見受けられます。
そんなドイツのクラブは私の経験上、大きく分けると3つに分類出来ると思っています。
1つ目は、Nachwuchsleistungszentrum(通称 NLZ)と呼ばれ、ドイツサッカー連盟が公認したクラブです。
バイエルンやドルトムントといったブンデスリーガのクラブを中心にドイツ全土で56チームしかありません。これらのクラブは質の高い練習はもちろん、理学療法士や栄養士、勉強のサポートなどピッチ外での受け入れ体制も整っています。ここでプレーする選手の大半はプロになることを目標にしているので競争は激しく、毎年のように選手の入れ替えも多く行われます。
2つ目はNLZでプレーしたいけどまだレベル的に足りていない、またはNLZに残れなかったがもう一度上を目指していきたいと思って頑張る選手が多いクラブです。
ここでは必ずしもみんながプロ選手になりたと思ってプレーしているわけではないです が、意識の高い選手は多く、プロクラブとの練習試合で勝利する事も多々あります。 また指導者も熱心で優秀な方が多いです。なぜなら彼らの中にはNLZで指導する事を 目標にする人も多く、ステップアップを考えているからです。
3つ目は好きな友達と一緒にボールを蹴りたい、上記の2つのカテゴリーで将来的にはプレーしてみたいと思う選手が集まるクラブです。
ここに所属する選手は競技志向 が必ずしも高い選手だけでなく、楽しくサッカーをすることを第一に考えているプレーヤーが多く所属しています。
このようにドイツでは大きく分けて3つのカテゴリーに分けることができ、それぞれの選手が自分に合ったクラブでプレーしています。また移籍も頻繁に行うことが可能なので、出場機会に恵まれない選手や監督と合わない選手も新しい環境でプレー出来るチャンスが増えます。ドイツでは多くの選手がプレー出来る環境を選ぶことが出来る、これがサッカー大国を作る一つの要因なのかなと思っています。