ジュニアサッカーに戦術は必要か?|小原拓也
サッカーチームで子供達の指導をしている皆さんは誰もが経験すると思います。
スポーツでは勝つ時もあれば、負ける時もあります。
「育成年代なんだから勝ち負けは関係ない!」とは言っても負けるのは、選手もコーチも気分は良いはずはありません。
子供達が負けている姿を毎回見たいと思わないはずです。
他のチームの子供がめちゃくちゃ上手にサッカーをしていて、それを見て練習しても同じ事がすぐに出来るようにはなりません。更にはその方法が良いとは限りません。
どのような結果になろうとご自身のサッカーの育成哲学がブレないようにするのが必要だと思います。
○戦術とは
戦術とは「目的を達成する為に戦闘力の効果をいかす手段」
サッカーで言うとフォーメーションや攻め方、守り方を規定するものです。
また、サッカーの戦術は、「どのようにプレーするのか?」ということでもあります。
サッカーのプレーを成り立たせるサイクル「観る」→「判断する」→「実行」のうち「観て判断する」のが戦術です。
この事から戦術は必要です。
○個人が先か戦術が先か?
サッカーの育成年代で「個人か戦術か」と言う議論がなされます。
サッカーの戦術を教え込むと個人が育たないと良く言われます。
確かに型にはめてしまうと個人が判断する機会を奪い個人の成長を阻害する側面もあります。
「戦術」は戦闘力すなわち「個人の能力」を最大化する為の手段です。
○1人で行う個人戦術
○複数人数で行うグループ戦術
○チームで行うチーム戦術
の3つに分けられ少年サッカーでもそれぞれ必要な要素が分けられています。
「個人戦術」では、1対1の局面でどうやって相手を突破したり、マークを剥がすのかと言う事です。
「グループ戦術」では、2、3人である局面を突破する方法の事をいいます。
ワンツー突破もグループ戦術の1つです。
個人、グループの戦術は少年サッカーでも必要だと理解して頂けると思います。
ではチーム戦術はどうでしょう。
フォーメーションや攻撃、守備の方法は少年サッカーから取り入れても良いと思います。
「ゴールを奪う」「ゴールを守る」為にチームでどんな事をすれば良いか子供達でミーティングさせるのも「戦術指導」の1つです。
戦術指導は正しい知識で理解出来るタイミングであれば「個人」を阻害するより伸ばす事に繋がります。
ドリブルが得意な選手はドリブルだけやらせておけばいいはずはなくチームの為に守備に走る事を教えなければありません。
○少年サッカーの戦術指導と先に待っているもの
少年サッカーであっても発育、発達に応じて段階的に戦術指導は行えるし、正しい指導は能力を総合的に向上させる為にも戦術指導が必要なのは間違いないです。
少年サッカーは団子になりがちです。
そんな中で上手な選手がピッチを広く使ってサッカーをしたら敵うはずがありません。
特に小学生は「知っている」と言う事が大きな武器になります。
学年が上がれば上がる程サッカーの能力も向上し、知識も身についてきます。
本人とコーチの努力次第でいくらでも追い越し追いつく事が出来ます。
自分で考えるクセが付けばもっと良い選手になってくれるでしょう。
大切なのは発育発達に応じて段階的に指導することです。
戦術指導にあっても小学生からサッカーの原理原則少しずつでも良いので伝えていただけたらと思います。
その中でサッカーを思い切り楽しめる子供達に育て上げてください。